500円で展開されるマニアックな世界。「西条美咲写真集 Snow Kingdom」の感想
西条美咲さんの最新写真集なんですが・・・
・・・その価格、なんと500円！！
「500円写真集」「ワンコイン写真集」なんて言い方が出来るかもしれませんが、内容に入る前に、まず本作の価格設定についてですが、
正直、あり得ない価格だと思います！！
写真集が500円というあり得ない価格設定について
本作に入る前に、本作の価格設定の凄さを検証していきたいと思うのですが・・・
スピリッツ、ヤングマガジン、ヤングジャンプなどの青年誌が大体300円台。BUBKA、ENTAMEなどのグラビア＋読み物の雑誌で600円台、BOMB、UTBとかいわゆるムック本になってくると800円台から1200円台。
これが一般的な写真集になってくると大体3000円前後が相場。
そこから本のサイズを小さくしたり、紙質を落としたりといった企業努力？によって2000円台に価格設定されるものもあれば、逆にヌード写真集なんかになってくると3000円以上の強気な価格設定となっています。
そんな中、ざっくり1600円台の価格設定をしてきたのが48グループメンバーの写真集。今までの相場の約半額という価格設定は、ネームバリューと比較すれば十分お値打ち感があるというもの。最近のシングルCDも大体同じような価格なんで、比較的お求めやすい価格とも言えます。
以上を踏まえながら、本作の500円という価格設定を考えればいかに安く設定したかについては一目瞭然！！
ひとまわり小さいとはいえ、ムック本形式のグラビア雑誌程度の厚みもあるから、通常なら1500円から2500円の間で金額設定されそうなものなんですが・・・
そう考えたら500円という価格はどう考えても安い。いや、安すぎると言えるでしょう。
「西条美咲写真集 Snow Kingdom」のみどころ・感想
というわけで、500円という価格設定について書いてきましたが、肝心の中身についても触れていきたいと思います。
（かくいう私も500円なら・・・と思って買ってみた人なんで。）
本作の世界観についてはまんま表紙の通りだったりするんですが・・・
舞台は雪原。そこでロリータ系のファッションに身を包んだ西条美咲さんが、ドールのように佇む・・・といったもの。早い話がゴスロリ系のコスプレ写真集って感じ。
徹頭徹尾この世界観を踏襲しているので、表紙みてアリだと思った方は買っていいと思うし、500円なら買って損した・・・とはならないはず。
ただ、私みたいなグラビアアイドル好きにとってみれば、全編コスプレでドール的な世界観・・・要するに生身の女の子が出てこないってのは結構しんどいというのは否めません。
ロケーションとしては過酷そのもの。
なんせ舞台は雪原。そこに保温とか全く考えていないであろうロリ系の衣装。冷たさを必死に我慢しながら無機質を演じる・・・
それに関しては西条美咲さんのプロ根性を称賛したいし、だからこそこのマニアックな世界観が構築されていると言えるだろう。
で、表紙の衣装でのカットの後は、茶色のロングヘアのかつらをつけ・・・なんと髪ブラ。本作で一番お肌を露出しているパートとなるが、カットによっては寒さに顔をこわばらせているものもあり、本作の撮影がいかに過酷であるかを窺わせます。
（てか、雪原で裸とか・・・寒い以前に下手したら命も危ないわけじゃん。）
その後は、なんて説明したらいいかわからないけど、西洋の制服みたいな衣装だったり、ドレスだったり、白シャツにエプロン的な衣装だったり。さらに薄手のワンピースやセーラー服なんかがあって、最後は不思議の国のアリス的な衣装で夜明け。そして、表紙の衣装の白バージョンといった流れ。
水着こそないものの、なんだかんだで衣装のバリエーションも500円にしては多いと思います・・・が、ドールという世界観だからどれもメイクは濃くて、まつエクやらコンタクトレンズで黒目をおっきくしたりして、表情のないきゃりーぱみゅぱみゅみたい。
普段から表情が・・・とか言ってる私にとってはこの世界観もやっぱしんどい（笑）
そう考えると、感覚的に500円という価格設定がいかにお得であるかというのは十分理解できるものの、そこに500円分の価値観を見出せたかと言えば・・・マニアックすぎてついていけないってのが本音。
というわけで、本作を楽しめる人の条件をいくつか挙げておこうと思う。
①ロリータ系（ドール）のコスプレ好き。
②想像力豊かなどS。
③西条美咲さんをこよなく愛する人。
①については、最初にも書いた通り表紙を見て「あり」「なし」を決めてもらって全然いいと思う。表紙が「あり」なら多分全体的にも「あり」だと思うし、ちょっとでも「ん？」って思うんならやめとけって話。
②については、雪原に全編薄手の衣装という・・・過酷というか無謀な条件下で撮影に挑んでいるので、どんなに頑張ってドールを演じていても演じ切れていないというか、寒さを必至に我慢しているカットもあるんで、そういうシチュエーションを想像して興奮できる「どS」な方なら、どS目線ならではの楽しみ方ができる・・・かも。
③については・・・ファンならとりあえず買うでしょう（笑）
というわけで、どう考えても一般ウケを狙ったものではないので、マニアなら垂涎ものだと思います。ただ、私的な好みとはかけ離れているので正直しんどい。これが率直な感想かな。
世界観こそ偏っているけど、アーティスティックな写真集とも言えるので、読む人を選ぶ写真集だと思います。
500円の秘密に迫る
というわけで、価格と内容の両面から本作を紹介してきたわけですが、実は本作にはチラシが2枚折り込まれていて、これを見て思った事を最後に書いておこうと思います。
まず1枚目のチラシは舞台のチラシ。
「南の島に雪が降る」という公演のもので、東京公演は終わってますが、今現在名古屋で公演中で、8月末には福岡・大阪でも行われ、西条美咲さんも出演されます。
ま、興業としてして成立している舞台であれば出演料が出るんでしょうが、小規模な劇団が小規模な劇場で公演する場合って出演者がチケットを手売りするケースがほとんどなんで・・・彼女がどんな出演契約を結んでいるかは知りませんが、たとえ前者だったとしても、自身の写真集に自身の出演作のチラシを入れておけば宣伝になるわけだし、ピンポイントで西条美咲さんのファンにチラシが行き渡る・・・って考えたら、これはこれで練りに練られた作戦とも言えます。
「500円の格安写真集がリリース」って事で価格がまずニュースになって、本作と一緒に舞台の宣伝もできる。これで舞台に足を運べば一石二鳥と言えるでしょう！！
そしてもう1枚のチラシなんですが・・・
11月に発売される西条美咲さんの写真集の告知！！
今度はバリ島での撮影で、しかもお待ちかねの生身の女の子が登場・・・するみたいです（笑）
というのも、そこに登場する西条美咲さんは白ビキニ。
しかも、メイクはナチュラルメイクなんで、本作では全く見せていない表情！！
なるほど・・・とりあえず500円で釣っておいて、私みたいなグラビアアイドル好きにとっては本命は別でちゃんとあるのよと言わんばかりのお預け戦略（笑）
しかも、よさげなビキニのカットを載せてるあたりがずる・・・上手いなぁ。
チラシには次回作の価格は書いていなかったのでどうなるかわかりませんが、私的には通常価格でくると踏んでるんで・・・もし次回作も低価格できたら心意気に応えて買いたいと思います！！
（そうでなかった場合は無論、見送ります。）
というわけで、今回の写真集をとおして見えてきた戦略は・・・
①500円という価格設定での話題作り。
②出演する舞台の宣伝。
③次の写真集の宣伝。
といったところ。実に巧妙というか・・・このぐらいの仕掛けがないと、そりゃ500円で写真集は出せないよなぁって感じもします。
なんにせよ「低価格」っていうのはエンドユーザーにとっては実にありがたい話なんで、内容はどうあれこういう試みがもっと増えたらいいなぁって思いました。
